「まあ、お茶でも召し上がれ」~パワースポット『KISSAKO』で解けた、生きかたのヒント~

目次

地域の憩いの場所、オーガニックショップ『KISSAKO(キッサコ)』

ども。
今日も暮らしかた探索中Dadです。

「ハタケノチカラ」を視聴した後、ずっと心に引っかかっていた人に会いに、そのお店へと向かいました。
映画館から徒歩約15分。閑静な住宅街の小さな商店街の一角に佇むオーガニックショップ「KISSAKO(キッサコ)」です。

このお店の店主である聖ちゃんとの付き合いは長く、出会いは大学生の頃に遡ります。何を隠そう、彼女は妻(Mom)を僕に紹介してくれたキューピットなのです。

お互い結婚してからは、数年に一度、イベントなどで偶然会う程度でしたが、僕が休職してから会うのは初めてのことでした。

変わらない「おかみさん」の存在感

聖ちゃんはこの辺りのオーガニック界隈ではちょっとした有名人で、『コンビニの数だけオーガニックショップがあれば、世界は変わる』をお店のスローガンにしている先駆け的な人物でもあります。

これまでたくさんの苦難があったと耳にしているのですが、彼女の性格を一言でいうと「あっけらかん」。それは知り合った頃からずっとブレずに、まるで「おかみさん」のような存在です。常連のお客さんからは「パワースポット」のような人と言われていると聞きます。

店名の「KISSAKO」も元は禅の言葉で、「まあ、お茶でも召し上がれ」という意味なのだとか。彼女らしいネーミングで納得がいきます。

彼女は人と人をつなぐ『架け橋』になることを生きがいにしていて、若い活動家の場としてお店をそのまま貸し出す「お留守番制度」や、地方で面白い活動をしている人を探してきて、お店に呼んでイベントを開くなど、全国区にコミュニティの輪を広げ続けています。

人生の節目で与えてくれる、聖ちゃんからの「きっかけ」

数年に一度しか会わないのに、なぜか彼女は僕の人生の節目節目で、いつも大切な「きっかけ」を与えてくれます。

前回会った時は、僕からは何も話しかけていないにも関わらず、僕の表情から何かを察したのか、「まだ向いてないサラリーマンやってるの?こっちは平日はお店をやって、土日はあちこちでマルシェをやって楽しいよ」と言っていたことを覚えています。彼女にはお見通しだったのかもしれません。

会社を休職してからは、Momに連れられて参加した、あちこちのイベントや講習で、KISSAKOの聖ちゃんの名前を頻繁に耳にしました。もちろん、僕がメンタルダウンで休職したことも、人越しに彼女の耳に入っていました。なぜなら、僕が援農しているまるほ農園さんが、このKISSAKOに野菜を卸しているからです。

居心地の良い空間で、心のしこりが解けた気がした

お店の前まで着いて、少し緊張しながら窓越しに店内を覗くと、中は憩いの場として近所の常連さんたちで賑わっていました。

「こんにちは」とお店に入ると、びっくりした表情で「幻か?」と返してきました。

忙しそうなので少し気が引けましたが、常連のママさんたちに囲まれながら、そのまま一緒にランチのおにぎりをいただくことにしました。

こじんまりとした清潔感があふれる、爽やかな色使いの店内には、店主のこだわりとセンスの良さが満ちています。

席についてからは、会社を休職してから、行く先々で聖ちゃんの名前を耳にしたこと、今の状況、これからどうしていきたいかなど、気づけば2時間ほど居座っていました。

言葉では言い表せない居心地の良い穏やかな雰囲気に包まれて、まだまだ話したいことはありましたが、まずは元気にやっていることを伝えてお店を後にしました。

帰り道を駅に向かって歩きながら、なんだかフッと、今まで抱えていた心のしこりが解けたような感覚になりました。

デジタルの世界で20年。立ち止まって見えた「実態のある暮らし」

約20年、僕はデジタルの世界に身を置いてきました。プロモーションのために年間約50人近くもの企業の取材をしました。大企業の社長から、最先端の技術に携わるエンジニアまで。世の中を動かすリーダーたちは、皆口を揃えて「社会課題を解決する、より良い社会を創る」と言っていました。

果たして本当にそうでしょうか。
日に日に疑念が湧き膨らんでいきました。経済成長、企業の成長、個人の成長……。

頭ではわかっていたけれど、ありきたりな言葉だけれど、デジタルはデジタルでしかありません。それは画面の中だけのただのツール、単なる情報でしかありません。実態がないのです。

美味しいおにぎりの味もしなければ、収穫した野菜の手触りもない。土の匂いもしない。息つく暇もなく、素気ない世界だったと、改めて痛感しました。

取材をしてきた人たちのように世の中に影響を与えるような、大それたことはしていませんが、それでも僕なりに社会に尽くしてきたつもりでした。それでも、心の中で拭いきれない違和感と虚無感がずっとしこりとしてありました。

この日「ハタケノチカラ」を視聴し、KISSAKOの聖ちゃんに会ったことで、そのしこりが少しだけ解けた気がしました。地に足のついた「実態のある生きかた」こそが、僕がこれから求める未来なのかもしれません。

ではまた。

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