「土の豊かさ」は人類文明の根源だった ~土壌微生物のきほん~

こんにちはMomです。
この本はジブリの有名なセリフからはじまります。
「今は、ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても土から離れては生きられないのよ」
(「天空の城ラピュタ」スタジオジブリより)
見えない小さな命が未来を育てる
私たちが毎日食べている野菜やお米。
そのすべては「土」から生まれます。
けれど、ただの土ではありません。
本当に命を育む土には、“見えない無数の小さな命”が生きています。
それが土壌微生物。
バクテリアや菌類、放線菌や原生動物といった、顕微鏡でしか見えない存在たちです。
これらの微生物の多様性と活性(=元気に活動していること)こそが、
土の豊かさをつくり、ひいては作物の生命力や味、栄養にまで関わってくるのです。

土が文明をつくってきた
私たち人間の文明は、農業と共に発展してきました。
定住し、作物を育て、文化が生まれる…。
そのすべての基盤には、肥沃で豊かな農地土壌がありました。
つまり、土は人類文明の「根源資源」でもあるのです。
でもその「豊かな土」を生み出してきたのは、
人間ではありません。
土壌微生物たちの力によって、何千年もかけて土は育まれてきました。
先人が守り続けてきたもの
世界中の多くの国が経済発展とともに、農地の劣化を経験してきました。
けれど、日本は例外とも言われています。
日本では、経済成長を遂げながらも、比較的豊かな農地を守り続けてきたのです。
その背景には、先人たちの知恵と努力があります。
自然と共に生きること。
土を敬い、季節の巡りに耳を傾けること。
そういった文化が、農業の中に脈々と受け継がれてきたのです。
堆肥、輪作、水の流れ、そして発酵技術…。
一つひとつが、土壌を豊かに保つための工夫であり、微生物たちとの共生の知恵です。

土にかけた熱い想い
私は今、あらためて思います。
目には見えないけれど、土の中にうごめくたくさんの命が、
この国の食や文化、命の循環を支えてきたのだと。
それを大切に守り育ててきた先人たちの、
土にかけた熱い想い、そして日々の暮らしの中に込められた知恵と敬意。
その深遠さと壮大さに、心から畏敬の念を抱かずにはいられません。
未来の子どもたちへ
私たちは、これからの未来に何を遺せるでしょうか。
地球に生きる子どもたちのために、どんな土を残せるでしょうか。
まずは、「土の中の小さな命」に気づくこと。
それが、オーガニックや自然農、パーマカルチャー、コンポストといった
持続可能な暮らし方への第一歩になるのかもしれません。
見えないけれど確かにそこにある、命の世界。
その豊かさを、共に守り、育てていきたいと願っています。
